Drink Me & Eat Me Online(Summer, 2024)

これは日本ルイス・キャロル協会のニューズレターThe Looking-Glass Letterを補完するために設けられたページで、会員以外には非公開です。

【会員のニュース】Members' Activities

■日本マンガ学会会誌に高橋洋子さんがに投稿
マンガ研究の深化・拡大を目指す日本マンガ学会の会誌「マンガ研究」vol.30(ゆまに書房、2024年4月刊、1,980円)に高橋洋子さんの研究論文「編集者高橋五山の子ども漫画史への貢献―大正期から戦中期を中心に―」が掲載された。
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(佐藤正明)

■「過去に向かって生きた男」翻訳
C・S・ルイスの幻想長編小説『天国と地獄の離婚』に影響を与えたチャールズ・F・ホールの短編SF「過去に向かって生きた男」The Man Who Lived Backwards(1938)については、ニューズレターNo.147(Spring, 2020) 掲載のエッセイ「アリスと白のクイーン・完結篇」で紹介された。白のクイーンさながらに時間流を遡る奇妙な経験をした男の物語で、『鏡の国のアリス』の影響がみてとれる。この作品の翻訳が佐藤正明訳でファンジン「宇宙気流」第98号(SFM同好会発行、500円〒込、68p)に掲載された。なお、この号は同好会会員に販売されるほか、7月6〜7日に白樺リゾートで開催された第62回日本SF大会でも販売された。

【出版物】Publications

■テニエル挿絵の彩色版アリスの新刊
Alice's Adventures in Wonderland/ Through the Looking-Glass and What Alice Found There (Paper Mill Press, Canada, 2022) は、テニエルの挿絵に新たにPeter Frithが着色した版。日本では洋書輸入代理店Foliosが丸善などに卸している。参考販売価格1,210円。(アマゾンでは取り扱っていません)

このほか、今年11月5日にはArcturus Deluxe Children's Classicsから、Katy Jacksonが着色したハードカバーも出版される予定。
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(佐藤正明)

■デニス・ダンカン著『索引 〜の歴史 書物史を変えた大発明』(光文社、3,520円、小野木明恵訳)
標記の本でキャロル作品への言及がある(pp.204-210)。『鏡の国のアリス』におけるアリスと白の騎士との会話、アリスとハンプティ・ダンプティとの会話、手書き雑誌『レクトリー・マガジン』のこと。そして『シルヴィーとブルーノ』の2冊にキャロル自身がつけた索引のこと。のちの版ではこの索引は省かれがちだが、この本の著者は、キャロルにとってこの索引は作品の大事な一部であると述べている。ちなみにキャロルがつけたIndexの原文は、協会ホームページの〈リンク〉ページから〈プロジェクト・グーテンベルク〉をクリックしてLewis Carrollに飛べば、"Sylvie and Bruno (Illustrated)"および"Sylvie and Bruno Concluded (Illustrated)"で見ることができる。
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(佐藤正明)

■『ドールハウス教本別冊「小さな国のアリスとヴィクトリア時代」』(亥辰舎BOOK、1,980円)
2023年12月発売。ドールハウスで知るアリスの世界とヴィクトリア時代をテーマに、7名のドールハウス制作者の作品が掲載されており、ヴィクトリア時代を彩る調度品やアイテムのミニチュア制作レシピも載っている。
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(佐藤正明)

■神吉拓郎「つめたいつめたい国のアリス」
神吉拓郎が短編集『私生活』で1983年に直木賞を受賞する11年前に雑誌「話の特集」1972年1月号に発表した「つめたいつめたい国のアリス」という100枚の中編作品がある。書籍に再録されたことはないと思われる。アリスでおなじみのキャラクターが出てくるが、ストーリーは完全にパロディになっている。英語題名Alice's Trip in "Icy Cold" Wonderlandで分かるように、アリスの幻想体験を33ページにわたって綴ったもの。挿絵は矢吹申彦で、編集の矢崎泰久氏の要請によりテニエルの絵のパロディ化に取り組んでいる。
(佐藤正明)

■ニコルソン・ベイカー『ノリーのおわらない物語』(白水社、単行本2004年、Uブックス2008年、岸本佐知子訳)
この小説の主人公ノリーはしばしば言い間違いをするが、それはキャロルの『アリス』の発言を想起させる。ベイリーは本の献辞に「わが娘にして情報提供者でもある アリスに」と記している。そしてこの本の訳者である岸本佐知子はUブックス版のあとがきで、「こちらのアリスは穴にも落ちないし体が伸び縮みするわけでもないが、脳内の冒険っぷりではすこしもひけをとっていないと思う。このたびUブックス版になったことで、さらに多くの読者がノリーといっしょに不思議の国を冒険してくれることを願っている。」と書いている。また、岸本佐知子のエッセイ集『わからない』(白水社、2024年)に収載の「珍しいキノコの収集」の中で、ノリーの言い間違いを翻訳する上での苦労について語っているところは興味深く、アリスの翻訳に通ずるところがある。
(佐藤正明)

■Jack Davisによるパロディ・コミック"Alice in Wonderland!"がカラーで電子書籍化
アーティストJack DavisがMAD Magazine #18(Dec, 1954)に掲載したアリスのパロディ・コミックは、ペーパーバックのMAD傑作集"The Brother MAD" (Ballantine, 1958) で見ることができたが、この作品を含むMAD MagazineがカラーのKindle電子書籍で2013年に復刻され、当時の姿で読めるようになった(1号275円)。下記サイトでサンプルを読むことができる。なお、この作品の翻訳は、協会の2007年大会で佐藤正明訳で展示発表された。
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(佐藤正明)

■雑誌「モエ」5月号でアリス特集
雑誌「MOE(モエ)」5月号(4月3日発売、960円)の巻頭は「不思議の国のアリス展」に合わせた初来日カラー原画を中心としたアリス特集。
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(佐藤正明)

■雑誌「芸術新潮」4月号にアリス展の記事掲載
雑誌「芸術新潮」4月号(3月25日発売、1,500円)のArt News exhibitionのページ(pp.94-97)に「イギリスの版元がお蔵出し 本家本元!『不思議の国のアリス』挿絵の系譜」と題して、「不思議の国のアリス展」がカラーの挿絵とともに紹介されています。
新潮社にリンク
(佐藤正明)

■鶴見良次『イギリスの忘れられた子供の本』
鶴見良次著『イギリスの忘れられた子供の本』(朝日出版社、2023、2,970円、264p)が昨年暮れに出ました。『アリス』が書かれ読まれていた頃の子供達は他にどんな本を読んでいたのか、17世紀末から200年間のもうひとつの英国児童文学史を丁寧に調べ上げた本です。
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(三村明)

【催し】Events

■カフェ・ユー「アリスの国の不思議なお料理会」
文京区のガレリア カフェ・ユーで今年も「アリスの国の不思議なお料理会」が開催された。
場所:ガレリア カフェ・ユー(文京区小日向、東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」より徒歩4分)
日時:7月10日(水)19:00〜
参加費:3,000円+カフェオーダー
定員:8名
ジョン・フィッシャー『アリスの国の不思議なお料理』から今回の再現レシピは
・チェシャー猫のひげ風チーズ棒
・パン粉まみれでないタラ料理アンドチップス
・「お飲みなさい」スープ・クランブル
カフェ・ユーにリンク
(佐藤正明)

■宇野亞喜良展
「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」が東京オペラシティタワー3Fの東京オペラシティ アートギャラリーで開催された(京王新線初台駅下車)。アリスを題材にした作品として、2008年に舞台美術を担当した「『Over The Rainbow…?〜アリス的不完全穴ぼこ墜落論〜」関連の作品を展示。会期4月11日〜6月16日(月曜日休館)。入場料 一般1,400円。
東京オペラシティにリンク
(栗田研)

■金子國義展 2024
「金子國義展 2024〜珠玉のエレガンス」が、渋谷ヒカリエ8Fに移転した〈Bunkamura Gallery 8〉で開催。会期3月9日〜25日。アリス関連も数点展示され、グッズも販売されていました。入場無料です。
Bunkamuraにリンク
(門馬義幸)

【映像】Visual Media

■『ロンリのちから』再放送
前号のDrink Me & Eat Meで安井さんが紹介しているNHK Eテレの『ロンリのちから』が再放送中。4月19日11:00〜11:10から隔週金曜日に放送(ただし8月と年末は休み)。年間放送予定は下記リンクを参照。
NHKにリンク
(佐藤正明)

【その他】Others

■「明治北海道十勝チーズ」ブランドで期間限定ディズニーデザインパッケージ発売中
4月上旬から期間限定で発売中の「明治北海道十勝」ブランドの各種チーズにディズニーのキャラクターが使われていますが、そのうち「明治北海道十勝スライスチーズ濃い味 7枚入り」には「ふしぎの国のアリス」もありました。
明治にリンク
(栗田研)

■ディズニーストアにアリスの商品
ディズニーストアにアリス商品が11品出ています。
(リンク切れ)
このほか、人気の高いヤングオイスターの商品も多数あります。
ディズニーストアにリンク
(竹田洋子)

■ダイソーの300円ショップにアリスグッズが登場
ダイソーが展開する300円ショップ「THREEPPY(スリーピー)」に、6月15日よりディズニー映画『ふしぎの国のアリス』モチーフのグッズが33品登場。
Dtimesにリンク
(栗田研)

■古今東西雑貨店イリアスが閉店
さまざまな素敵な雑貨を取り揃えていた谷中のお店「イリアス」のホームページに以下のメッセージが掲載されていました。
 「古今東西雑貨店イリアスは3月31日(日)19時をもちまして卒業いたしました。
  改めまして22年5か月間ありがとうございました。」
店内にはアリスの作品も並んでおり、これまでDrink Me & Eat Meのページにもたびたびアリスに関する情報を寄せてくださいました。谷中に行ったときは必ずお店を覗いていたものです。寂しくなります。
(佐藤正明)

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